■ 化石採集余話です!! ■



 第一話 -過ちのロケット砲- 
今から10数年前の話です。私たち倶楽部は一泊2日の行程で中川町へ行きまし た。天気はくもり、時々パラパラ小雨も降っていました。
初日はチンネン沢(別名天見の沢)を巡検し、メタプラなどそれなり の成果がありました。
チンネン沢(天見の沢)は、安平志内川から山越えの旧大和地区ワッカウェンベツ川へ行く林道の下を流 れている沢で、ゴツゴツした大きな石がごろごろたくさんあり、おまけに沢の頭上は木々植物が覆い被さり大変 薄暗い沢でした。
くたくたになりながら2km位か上下往復し、やっと折り返えして林道に出た時は、ホッとしたのを覚えています。

私たち5人は、翌日の予定場所である疋田(ひきた)の沢の下流、道路へ一番近い場所でキャンプをする事にしました。
その場 所は造材原木がたくさん積んであった後の場所らしく、地面は雨で湿っていましたが、テントを張るには広くて丁度良い場所でした。
この場所には 焚き火をするのに丁度良い木材が残っていて、10本位懐中電灯で探し拾って燃やしました。

夜8時位にはもう真っ暗で火の場所 を離れると何も見えません。
丁度その日は、くもり時々雨で天気も良くなく、月や星もまったく見えません。
都会の灯になれている私たちは、このような体験は少ないですね。
本当にもう真っ暗トホホ。電柱も何もないですから・・・朝、 中川町へ来る途中、山道で明らかに熊の糞と思われるものを見ていましたので、まんじりともせず5人一つのテントで夜を過ごしました。
特にこの地域は熊の目撃も多く、私たちは食べ物の袋や残りかすなど臭いのする物は特に気をつけてすべて焼却しました。
もちろんポケットの飴やガムなどもビニ−ルに入れてしっかり紐で縛り、寝る場所と離れたところに置きました。

翌日の朝、夜間ずっと浅い眠りで過ごした為、ボ−としていました。
朝6時頃テントから出ました。
焚き火は丸太をまだ燃やしていま した。「ホゥ、まだ燃えている・・・ちょっと燃やした木が太かったな・・・」と思いながら火の後片付けをしました。
私たちはテントをそのままにして、いよいよ予定通り疋田の沢を上る事にしました。朝7時30分出発です。

中川町地元出身者で会社の同僚疋田さん(何故か名字がこの沢名と同じ。開拓のご先祖が関係しているらしい。)から聞いた話によると なんでも昔は、この沢にもアンモナイトがごろごろあったそうです。
そんな事も考えながら期待に踊っていた私たちは、血眼で化石ノジュ−ルを探していました。
500mも沢を上った頃、沢が蛇行し始めました。
私たちが一番危惧していたのは、「山おやじ」です。
何かわかりますか ?
・・・そうです。
ヒグマの事です。
この蛇行のカ−ブが危ないのです。
偶然の出会いが一番こわい。
私達の装備にはそれぞれ ナタやナイフを必ず携帯しています。コンバット兵士そのものです。
ランボ−かサンダ−ス軍曹でしょうか。(サンダ−スは懐かしっすネ !)
この格好で人が多い街なんか歩いたらすぐに銃刀不法所持でお縄になるでしょうね。
ですが、熊と鉢合わせになったとしても、この装備では 勝ち目はないでしょう。

そう思いながら沢の上流に向かって歩いていた時の事です。
沢のカ−ブ向こうから何かがこちらに向かってくる気配がしました。
ざわつきと水の音がします。山歩きをすると五感が冴えます。
リ−ダ−の私は、みんなに「シ−!」静かにするように指示すると、直ぐにリュックからロケット花火30本と爆竹3ケ−スを出しました。
いつでも取り出せるように準備と訓練はやっています。(笑い)
そういえば昨日の睡眠不足の為か、出発にいつもやる爆竹の洗礼とピ−ピ−笛を吹くのを忘れていました。うっかり八兵衛です。
もう、こうなっては後の祭り・・・・・
特製の発射筒を取り出すと2班に分かれてロケット花火を続けざまに目標に向けて連続水平発射。
爆竹も派手に鳴らしました。
静けさの中を目標15mか20m先でロケット花火は次々大音響とともに炸裂しました。私たちは5分ほど「激戦」を 続けて、もしもの為にナイフもそれぞれ取り出し、少ずつ後退することにしました。

すぐに走ったり、動いたりすると熊の習性で飛びかかって来るそうです。
そうこうしていると、敵目標地点からうめき声が聞こえてきました。
誰かが「熊もびっくりすると人の真似をするんですね」だと・・・
うム・・でも熊か・・・・ ・・・・・・・・
目標のそれは何んと何んと人間 !! ギク ・・・
釣り人だったので-す。
やまべを釣っていたそうで-す。あリャリャ− !
それも一人で・・・・よくこんな山奥へ一人で来たものだと感心しました。
なんでも、最初の一撃でびっくりして腰を抜かしたそうです。
幸い反射的に防衛本能が働き屈んでいたので怪我は無かったようでしたが・・・・・
猟銃で撃たれ たのかと思ったそうです。
まだボ−とした釣りおじさんに、みんなでその時の状況、理由を何度も話し、何度も謝ったのは言うまでもありません。
それにしてもこんな山奥で人とは・・・・日本は狭い・・・×○△□


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